TOP PAGE へ戻る  次ページへ

  3作品紹介
 
   
     
     
    初雪とアスパラ群 М60 2022

カーテンを開けると、昨夜来続いた雪で外は白一色の世界に変わっていた。
早朝、聚富の農道を通って「ヤチブキ咲く沢」に向かう。いつもなら幹線道路に
通じる道が暴雪柵に遮断され引き返す。戻ろうとした時、新雪被ったアスパラ畑
に目がとまる。ひとつひとつの株にふんわりと綿毛の花のようなやさしく覆われ
ていた。これもまた初雪の朝が見せてくれる清涼で澄みきった冬の情景だ。
見慣れた情景のはずなのに、妙に新鮮で心惹かれる時がある。そういう出会いの
記憶や断片が頭の中の引き出しを満たしていく。いつか絵になることも多い。
一変したアスパラ群の間を縫って、動物たちはどんな思いで見るのだろう。

     
     .
2月の頃 キタキツネが通る道  М30  2019
     
2月の日差しは雪に反射して強い。まだまだ春には遠く雪原のような田の中央をキタキツネがゆっくりと進む。こちらに気付いていないようだ。ここにも春を待ちわびる生き物がいる。
キツネは林の中に分け入っていく。雪被った木立の合間を茶褐色の尾が見え隠れし消えていった。
     
 
移り行く時  聚富の農家とひまわり群 S50 2022

農家の納屋と麦畑を組み合わせて始めたこの絵は、構想から何年かかっただろう。
家屋の周りを埋め尽くす近に決めあぐねていた。稲穂、麦畑、野草。
畑一面に菜の花が咲いている。丘の向こうに牧草ロールを置いてみるのはどうだろう。
黄色の近景。
そう考えた時、以前三笠で見たヒマワリ畑を思いだした。たくさんのヒマワリ見て
自然に笑いが込み上げてくる。
こういう時節だからこそ楽しくなるような絵があっていいと思った。
 

2月の情景 雪が通り過ぎた朝は
            М60 2022


花川に連日大豪雪が来襲した。朝から雪かきに追わる。
ほとほと疲れ果て呆然とうらめしく空を見上げると、そこには
驚く程澄み渡った二月の空が広がっていた。